2017年06月19日

参加者に好

同窓会当日の空は見事に晴れ上がっていた。

正月早々の開催は遠方からの参加者に好評で、予想を上回る数が 参加』 で返信されたそうだ。

昼の開催となったのは、学年別の同級会や部活の親睦会が引き続き行われるためで、幹事を務める同級生に千晶の苗字変更を連絡したおりそれらの情報を聞いた。


大杉さんが嫁さんだって? 羨ましすぎるぞ。彼女、可愛くて人気があったからな。田代、覚悟しておけよ』 

幹事の彼がそう言ったのは、部活仲間でもある彼が当時を知っているからで、みなから冷やかされるのは必至だと覚悟を決めた。


つわりが本格化してきた千晶は前日まで辛そうにしていたが、同窓会当日は気分も良く、無理をしないと約束させて二人そろって出席した柏傲灣


全体の同窓会はあまりにも大勢で、懐かしい顔を探すだけでも大変だった。

部活のくくりでグループができており僕らもその輪に加わったのだが、幹事の口から伝わったのか僕と千晶の結婚はすでに知れ渡っていた。

いつ結婚したんだよ」 の問いに 一週間前……」 と答えると、次の質問は決まって どうしてそんな忙しいときに結婚を?」 となる。

急ぐ必要があって……」 と言うが早いか できちゃった婚か!」 となり、どれほど冷やかされたか。
田代がねぇ、ふぅん。慎重で用心深くて、何事にも抜かりのない田代がねぇ。できちゃった婚か。
いやぁ、めでたい! あはは」


おい、そんなに笑うな。散々恥ずかしい思いをしてるんだから」

めでたいのに何を恥ずかしがるんだよ。あっ、わかった柏傲灣示範單位

冷静沈着で完全主義者の田代には、フライングは許せないか」
だよな。コイツ、いっつも ”オレは冷静だ” って顔してたもんな。とにかくメデタイ」
僕が吹部の男連中に囲まれ散々いたぶられ、格好のおもちゃにされていたとき、千晶はというと…… 


Posted by Qian Qian at 10:35 │Comments(0)
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