2017年07月17日

浮かべそうつ

ってでも???、いやあ、俺にはやっぱ信じられねえなあ」
と俺はぼんやりと脳裏にふたりの顔を思い浮かべそうつぶやいた實德
20年だろ?
それもオンナだぞ。
普通に年取ったところでソイツが他人に見えることだって十分にありえる。
増してや派手に整形したとなりゃあもう顔なんて全くの別人に見えるだろうよ」
とホンジョウは自信ありげにそう断言し、さらにこう続けた。
ナカバヤシ?
もしかしたらこれは???、20年越しの???とんだ純愛物語かもしれないぞ。
まあ、そのアウトプットとしてはかなりエキセントリックな味付けがされてるけどな」
純愛?物語って」
と、俺はしばらくの間呆然としグラスの氷が溶けていくのをただ見つめていた。
俺にはそうとしか思えないんだけどなあ實德?」
とダメ押しのホンジョウに対し、
ああ、もうわかったよ。
認めるよ、オマエの言う通りふたりが同一人物だったって言う可能性は確かにある。
でもそれにしたっでだ???。
それにしたって、それもなんでまた今頃になって???、それもそんな小細工をしてまで俺に会いにくる必要がある?」
と俺にはどうしてもまだその根底に納得出来ないものがあった。
そしてアイツが俺に語って聞かせた???あのわけのわからない話にしてもだ。
オマエら、だから俺が言っただろ。
その必然性ってのは彼女の任務以外にはないんだって。
だからつまり、俺の解釈はこうだ???」
と言って今度はマスターが真剣な顔と口調でこう語り始める。
機関の話はやっぱりナカバヤシに話したモトコの説明通りだったんだよ。
日本でユリエがナカバヤシに接近したのを恐れた『光の機関』がユリエを殺そうとしたんだ。
でも彼女は何とか生き延びた。
それで『光の機関』が逆洗脳か何かで彼女を味方に鞍替えさせたんだろう。
もともとユリエはナカバヤシのことが好きだったわけで、ナカバヤシを守る『光の機関』側に勧誘する方がむしろその逆よりも簡単だったはずだ。
今回のナカバヤシとユリエの、つまりモトコとしての再会は、その任務とその彼女の個人的な想いとがうまく重なり合ってそれで実現したものだったんだよ」
じゃあ何?あのモトコの話ってのはすべて作り話

ジョークだったってこと?」
と俺が呆気に取られたようにそう応えると、
まあ、基本そう言うことだろうなあ。  


Posted by Qian Qian at 11:03Comments(0)